何故、レジオネラ菌が検出されるのか?

浴槽水の塩素管理(0.2〜1.0ppm)と併せて条例どおりに高濃度塩素処理(5〜50ppm)を実施しているにもかかわらず、何故だかレジオネラ菌が検出されてしまうことが多々あります。

レジオネラ菌は、自然界の土壌や淡水に生息しているどこにでもいる菌なので、入浴者に付着してたり、土埃などと一緒に浴槽水へ持ち込まれます。浴槽水中に低濃度の塩素が残留している状態ではレジオネラ菌はすぐに死滅しないため、循環経路内にバイオフィルム(生物膜)やアメーバが存在しているとそこに入り込み、塩素から守られた状態の中で爆発的に増殖していきます。

レジオネラ菌検査の際に極わずかな菌がたまたま検出されてしまった程度であれば日々の塩素管理を徹底すれば問題はありませんが、明らかに基準値以上の菌数が検出されてしまった場合には循環経路内にレジオネラ菌の巣がある可能性が高いです。

 レジ菌発生原因1~4.png

 

【原因1】のような複雑な設備(バイパス配管など)の場合であれば、バルブを開けて塩素等を通水すればレジオネラ菌は殺菌できるのですが、【原因2〜4】のケースでは塩素が効きづらいため、当社では他の薬剤または洗浄剤を組み合わせて管理する方法をお勧めしております。

 

塩素管理しているのにレジオネラ菌が検出されてしまう
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循環浴槽のレジオネラ菌汚染の原因は?

菌数抑制の表.png常時塩素で消毒しているはずの温浴施設でレジオネラ症感染事故が起きています。
近年のレジオネラ症感染者数はこちら

原因としては、せっかく配管洗浄をおこなっても塩素消毒だけでは生物膜やアメーバ等の発生を防ぐことは難しく、2週間程度で元の菌数まで回復してしまうのです。
右図のように、菌が増殖してくるタイミングできちんと処理していれば大きな事故につながることはないでしょう。
※厚生労働省では、週1回以上の処理を推奨。

 

通常の塩素管理と併用する主な薬剤は?

厚生労働省が通知している循環式浴槽におけるレジオネラ症防止対策マニュアルの「循環配管の維持管理」の項に記載がありますので、以下に抜粋文をご紹介いたします。

 

(2)循環配管の維持管理

 循環配管の内壁には、ねばねばした生物膜(バイオフィルム)が生成され易く、レジオネラ属菌の温床となります。そのため、年に1回程度は、循環配管内のバイオフィルムを除去し、消毒することが必要です。
 繁殖したバイオフィルムの除去には、以下のような処理が考えられますが、危険が伴うことや、洗浄廃液の処理などに専門的な知識が必要な場合もあります。

 過酸化水素消毒:過酸化水素(2〜3%で使用)は、有機物と反応して発泡し、物理的にバイオフィルムを剥離、除去します。また、同時に強い殺菌作用があります。
 過酸化水素は、毒物及び劇物取締法で指定された劇物であり、取り扱いには危険が伴い、さらに処理薬品が多量に必要であること、洗浄廃液の化学的酸素要求量(COD)が高いことなども含め、専門の業者による洗浄が必要であり、その費用も高価なものとなります。

 塩素消毒:高濃度の有効塩素を含んだ浴槽水を、配管の中に循環させることで殺菌する方法です。残留塩素濃度は、循環系内の配管などの材質の腐食を考慮して、5〜10mg/L程度が妥当です。この状態で、浴槽水を数時間循環させます。バイオフィルムが存在している循環系に塩素を入れると、塩素は微生物の細胞膜を破壊してタンパクや多糖類を溶出させるので、浴槽水が濁ったり発泡したりすることがあります。ただし、普段から浴槽水中の遊離残留塩素濃度が、0.2〜0.4mg/Lとなるように塩素系薬剤を連続注入により添加して、微生物の繁殖を防いでいれば、高濃度の塩素処理を行っても発泡などは起きません。
 ちなみに、米国やオーストラリアでは、浴槽水中に残留塩素を常時保つことが、レジオネラ属菌を含む微生物の繁殖を防ぐキーポイントであることが強調されています。具体的には、使用時に残留塩素濃度を4〜5mg/Lに保つこと、また、営業終了時に毎日10mg/Lの塩素で1〜4時間処理することが管理方法として推奨されています。

 その他最近では、次亜塩素酸ナトリウムと併用して、水中で二酸化塩素を発生させる薬剤もみられ、スライムの除去・消毒を行う方法も用いられています。

 

 加温消毒:60℃以上の高温水を、循環させることで殺菌する方法です。但し、循環系の材質によっては、劣化(例えば熱による塩ビ管の軟化劣化)、または腐食を促進することもありますので、事前に設備の確認が必要です。

 

※現時点でレジオネラ菌が検出されたことがない施設においては、コストが安価な高濃度塩素処理(スーパークロリネーション)を継続する方法でよろしいかと思います。

 

 

【二酸化塩素と過酸化水素の比較表】

 二酸化塩素と過酸化水素の比較表.png

 

 二酸化塩素の作業風景.png  過水作業風景.png

レジオネラ菌対策で二酸化塩素が選ばれる理由

塩素管理しているのにレジオネラ菌が検出されてしまった施設は、今までと同様な管理方法では再発する可能性が高く、他の薬剤併用を検討する必要があります。

まず、一番メジャーな過酸化水素は、生物膜の除去効果が高い反面、費用が高額(数十万円)で長時間の作業を要するため、休館日に実施されるのが一般的です。これでは現実的に頻繁におこなうことは難しく、せいぜい年に1〜2回が限度ではないでしょうか。

レジオネラ菌が高い数値で検出されてしまった際は過酸化水素で一旦リセット(ゼロクリア)し、生物膜が再付着するサイクルを延ばすために効果が高い二酸化塩素を定期的に使用する方法をお勧めいたします。

「過酸化水素洗浄+定期二酸化塩素処理」の検証結果はこちらから

 

塩素管理と併用して二酸化塩素を選ぶ理由は“低コスト”と“利便性”

二酸化塩素を利用しているお客様の多くは、過去にレジオネラ菌が検出されてしまった施設か、施設を利用されるお客様への信用を失墜しないよう危機管理を徹底しているチェーン店がほとんどです。

各都道府県が定めている「公衆浴場法施行条例」「旅館業法施行条例」を順守するために、地域によっても異なりますが、循環浴槽配管等の定期除菌・洗浄で月に2〜4回程度は利用されています。
このような使用頻度では、「簡便」且つ「低コスト」でなければ継続することは難しいと思います。

 

ご参考までに、『社団法人 空気調和・衛生工学会』より出版されている「浴場施設のレジオネラ対策指針」のP.27で紹介されている「ろ過循環配管などの洗浄の方法」をご紹介いたします。

 

浴場施設のレジオネラ対策指針.jpg 

7.2.4 ろ過循環配管などの洗浄の方法より抜粋

1週間に1回以上の洗浄の際は、高濃度の有効塩素を含んだ浴槽水を、配管の中に循環させ、殺菌するのが望ましい。水質検査によりレジオネラ菌が検出された場合には、過酸化水素、二酸化塩素、または塩素処理による消毒を行う。

(中略) 静岡県条例では「水質検査によりレジオネラ属菌が検出された場合には、過酸化水素または二酸化塩素処理による消毒を行うこと」 としている。

高濃度塩素処理よりも過酸化水素や二酸化塩素処理の方が
洗浄効果が高いことを意味します。

危険度レベル別衛生管理方法

過去に水質検査でレジオネラ菌が検出されたことがなく、各都道府県の条例に従って衛生管理されているのであれば問題ありませんが、直近でレジオネラ菌が検出された場合や過去にレジオネラ菌が検出された場合は要注意です。

 

危険度レベルごとの衛生管理.png  

画像をクリックすると作業内容や作業時間がご覧いただけます

 

 

  高濃度二酸化塩素処理作業(ボタン).png過酸化水素洗浄作業(ボタン).png

 

グッドジョブ誘導ボタン.png 

 

 

 
 

スーパー銭湯のような入浴客が多い施設は、入浴者が持ち込む皮脂やファンデーション・クリームなどが浴槽水に多く混入します。この皮脂類は、ろ過循環系の比較的低温となっている循環配管や連通管・水位計配管などに乳白色の膜やフレーク状物質となって蓄積し、通常の過酸化水素による洗浄ではなかなか除去できないことが分かっています。

 

過酸化水素洗浄をおこなう場合、業者へ作業を委託される際は作業内容をご確認下さい。浴槽水が循環できる程度に減水して過酸化水素を投入し、1〜2時間程度循環後に中和して作業を終了してしまうようでは高額な費用を支払っても無駄になってしまいます。

過酸化水素の設定濃度はどの程度なのか、レジオネラ菌が繁殖する死水ポイントへの薬剤通水作業はきちんとおこなえるのか、特に女湯(男女が連通管でつながっている場合は男女同じです)は皮脂成分まで除去できる洗浄剤を組み合わせているのか、などの確認は事前におこなうようにして下さい。

単純に「過酸化水素洗浄」とひとくくりにしてしまうと、作業内容を考慮しないで見積り価格だけで判断することになりますので、あとで「失敗した・・・」といったことになってしまいます。

 

どのようなことに注意したらよいか分からない方は、お気軽にご相談下さい!

 

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